妊娠中に歯医者に行っても大丈夫?よくある質問4つを解説!

こんにちは、東京都墨田区の歯医者 篠塚歯科医院です。

「妊娠中に歯医者に行っても大丈夫なのか?」妊娠中の方なら気になると思います。
そこで今回は妊娠中によく受ける質問

  • 歯科治療について
  • レントゲン撮影の影響
  • 薬の影響
  • 歯科検診は必要なのか

以上4つの解説をしていきます。

妊娠中の歯科治療に不安がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

妊娠中の歯科治療は大丈夫?

結論、「妊娠中でも歯科治療は可能」です。
妊娠中の歯科治療は可能な治療と避けるべき治療があります。
妊娠初期や後期は、歯石取りや歯のクリーニングなどの軽めの治療なら無理なく受けることができます。
虫歯治療・抜歯などの麻酔が伴う治療は、体調が落ち着いている安定期におこなうのがおすすめです。

あくまで目安なので自身の体調をみながら歯科医師と相談して治療を進めていくといいでしょう。
また、妊娠中に避けた方がいい治療にはホワイトニングや矯正治療などがあげられます。

妊娠中のレントゲン撮影の影響は?

妊娠中のレントゲン撮影は、胎児への影響がないか不安に感じる方が多いと思います。
しかし、歯科治療でおこなうレントゲン撮影は、胎児への影響はないとされているのでレントゲン撮影をおこなっても問題ありません。

医療被曝量と日常被曝の放射線量については以下の図をご参照ください。

出典:東京都歯科医師会

歯科用のレントゲンの放射線量は、図の通り日常被ばくの範囲内であること、使用するX線量が医療の中でも特に少なく、顎周りの撮影に留まるので腹部から離れていること、放射線からガードするエプロンも着用しているので放射線の影響はないとされています。

妊娠中の薬の服用は大丈夫?

妊娠中はできれば薬の服用は避けるべきといわれています。
特に妊娠初期は胎児のさまざまな器官がつくられる時期なので注意が必要です。
しかし、やむなく服用しなくてはならない状況になった場合は薬を処方します。

妊娠中の薬の服用については、アメリカのFDA薬剤胎児危険度分類基準FDA Pregnancy Categorまたは

オーストラリア基準Prescribing medicines in pregnancy 4th editionにて安全性が高く、危険である証拠が認められていないという「A・B評価」を得ている薬剤を選択するのが望ましいです。


鎮痛剤は、カロナールが処方されるケースが多いでしょう。
カロナールの主成分であるアセトアミノフェンは胎児や母体への影響が一番少ない鎮痛薬と言われているので、妊娠中の鎮痛剤として安全性が高い薬です。
抗生剤もさまざまな種類が存在しますが、ペニシリン系・マクロライド系の抗生剤であれば服用しても問題ないといわれています。

妊娠中の歯科健診の3つのメリット

妊娠中は虫歯・歯周病になりやすい!

妊娠中は、ホルモンバランスの変化などで口内環境が大きく変化します。
つわりにより奥歯のブラッシングはえずきやすく、十分なブラッシングが難しく、食生活も偏食や間食回数も増える影響で虫歯に注意が必要です。

また妊娠中にエストロゲン・プロエストロゲンの女性ホルモンが増大し、このホルモンを餌にする歯周病原菌が特異的に増えることで歯周病リスクが増えてしまいます。

低体重出産率を減らす

歯周病は早産のリスクを高める原因であることが分かっており、母体が歯周病に罹患していると罹患していない方と比較して低体重出生率が7.5倍高くなります。

実はタバコや飲酒よりも高いリスク数値となります。

また、低体重出産は、出生時に異常がなかったら全く問題ない訳ではありません。成長の過程、また成人になってからも低体重出産と関連性が明らかになっている疾患は多くあります。

低体重出産と関係性が明らかになっている疾患

高血圧・糖尿病・冠動脈疾患・脳梗塞・脂質異常症・神経発達異常など
De Boo HA,and Harding JE,2006

赤ちゃんを虫歯から守る

赤ちゃんは無菌的な状態で生まれてきます。最初は虫歯菌がいない状態です。
しかし、食具の共有やキスなど日常生活の中で、必ずご家族の虫歯菌がお子さん(1歳半~2歳半の時期)に移ってしまいます。
そしてご両親のお口の中の虫歯菌が活発で量が多いと、お子さんは虫歯になりやすいお口の環境になってしまいます。

赤ちゃんと接することの多いお母さんは、特に気をつける必要があります。お子さまの健康のために、妊娠中からしっかり歯医者で歯の治療や予防歯科に取り組んでいきましょう。

妊娠中の歯医者まとめ

妊娠中はつわりやホルモンバランスの変化から虫歯・歯周病に注意が必要な時期です。
妊娠中に歯科治療をおこなっても問題ないのか?不安に感じると思います。
しかし、妊娠中でも適切な時期であれば歯科治療をおこなうことが可能です。
産後は歯科医院に行く時間が取れない場合が多いので、妊娠中に虫歯・歯周病の確認と歯のクリーニングをおこなって口内を清潔に保つようにしましょう。

妊婦歯科健診のススメ

篠塚歯科医院は、マタニティ歯科にも注力し東京都墨田区の行う「妊婦歯健康診査」の実施医療機関です。妊娠中と出産後1年未満の間にそれぞれ1回ずつ無料で健診可能です。

マタニティ歯科について、お母さんには、赤ちゃんの健やかな出産と成長のために知っていただきたい知識がたくさんあります。マタニティ歯科について興味がある方は、下の画像をクリックして是非ご覧になって下さい。

妊娠後期はお腹が大きくなり、診療チェアに横たわることも困難な場合もあり、出産後は子育てに追われて時間が取れないなど、健診に行けるタイミングを逃してしまうお母さんも多くいらっしゃいます。
安定期に入ったら、まずは痛みなどの症状がなくても是非お口の中をチェックにご来院下さい。
受診をご希望の方は、ご来院の際に「墨田区妊婦歯科健康診査票」と母子健康手帳をご持参ください。

浅草・本所吾妻橋の歯医者 篠塚歯科医院

歯学博士 篠塚嘉昭

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