虫歯予防の歯磨き粉【歯医者おすすめ5選】ランキングで紹介!フッ素について解説

こんにちは!墨田区の歯医者、篠塚歯科医院です。

虫歯予防に効果が期待できる「フッ素」をはじめ、虫歯予防の歯磨き粉にはさまざまな有効成分が配合されています。そのため、「一体どの歯磨き粉を選べば良いのか」「本当に効果があるのか」などと悩まれている方も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、歯医者が予防歯科の視点から虫歯予防におすすめの歯磨き粉をランキング形式で紹介するとともに、年齢に合った虫歯予防のフッ素歯磨き粉の選び方についても解説していきます。

これから予防歯科・虫歯予防に取り組んでいきたい方や、歯医者が選ぶおすすめの虫歯予防の歯磨き粉について知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

虫歯予防は歯磨き粉で効果はある?

虫歯が歯磨き粉で治るのかどうかは虫歯の状態によって異なり、具体的には初期虫歯の「C0(シーオー)」と呼ばれる段階であれば治る可能性があります。

「C0」とは、歯の表面のエナメル質の構成成分である「カルシウム」「リン」などのミネラル成分が歯から溶け出した状態(脱灰)のことで、まだ歯には穴が開いていない段階です。

この段階であれば、フッ素やハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉などを使用することで、歯の表面のエナメル質強化を促し、初期虫歯の修復が期待できます。

ただし、初期虫歯を放置して一度歯に穴があいてしまうと、たとえフッ素等が配合された虫歯予防の歯磨き粉を使っても、その穴を修復する効果は期待できません。

そのため、虫歯で穴があいてしまう前の初期虫歯の段階でしっかり対策をしておくことはもちろん、そもそも虫歯にならないための自分に合った適切な虫歯予防法を知っておく必要があります。

自分に合った適切な虫歯予防法を知りたいという方は、予防歯科に力を入れている当院へぜひ一度ご相談ください。予防歯科についての詳細は以下をクリック!

虫歯予防のフッ素歯磨き粉の選び方

虫歯予防の歯磨き粉といっても、歯磨き粉によって配合されている有効成分が違ったり、市販の歯磨き粉や歯科医院専売の歯磨き粉があったりなど、さまざまな選択肢があるため一体どれを選んでいいのかと迷われている方も多いのではないかと思います。

まずは、どのような基準で虫歯予防の歯磨き粉を選べばいいのかについて確認していきましょう。

年齢に合ったフッ素濃度のものを選ぶ

フッ素は歯質の強化や、エナメル質の修復促進など虫歯予防に効果が期待でき、日本で販売されているほとんどの歯磨き粉に配合されています。

しかしながら、フッ素が配合されていればどの歯磨き粉でも良いというわけではなく、虫歯予防の歯磨き粉を選ぶ際には年齢に合ったフッ素濃度の歯磨き粉を選ぶことが大切です。

というのも、歯磨き粉のフッ素濃度は、年齢に応じて推奨されている濃度が異なるためです。

2023年1月に日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会などの4学会合同で「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」が発表されましたが、推奨されるフッ素濃度が2023年以前のものと比べて高くなっています。そのため、新しく推奨されているフッ素濃度へとアップデートしておきましょう。

また、歯磨き粉によっては「フッ素配合」と記載されているものの、明確なフッ素濃度が記載されていない歯磨き粉もあります。

1,000ppm以上のフッ素濃度の歯磨き粉は必ず濃度を表記する必要がありますが、表記がないものは年齢に応じたフッ素推奨濃度を満たしていない可能性もあります。フッ素による効果を最大限得るためにも、ご自身の年齢に合ったフッ素濃度の歯磨き粉を選ぶことが大切です。

「高濃度フッ素配合」と記載があるものは全て1,450ppmのフッ素配合の歯磨き粉です。

【4学会合同フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について】

出典:日本小児歯科学会HP

フッ素の虫歯予防効果とは?

6歳以上であれば、1450ppmのフッ素量が入った歯磨き粉を選ぶのが適切であると図でお伝えしました。

でも同じフッ素なら1450ppmでも950ppmでも効果はあまり変わらないんじゃないの?と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

実は1450ppmのフッ素濃度の歯磨き粉で1日2回歯磨きすることで、従来のフッ素濃度と比較して30%の虫歯予防効果が上がるのが分かっています。

その他虫歯予防に効果がある成分の歯磨き粉を選ぶ

虫歯予防を重視した歯磨き粉を選ぶなら、フッ素以外にも以下のような成分が入った歯磨き粉がおすすめです。

虫歯予防におすすめの成分成分の名前

殺菌成分
●IPMP:イソプロピルメチルフェノール…細菌が集まって形成されるネバネバした膜「バイオフィルム」への浸透性に優れ、バイオフィルム内の細菌を殺菌
●CPC:塩化セチルピリジニウム……口腔内に浮遊する細菌に対し、強い殺菌作用を持つ
●LSS:ラウロイルサルコシンナトリウム……原因菌を殺菌し、口臭を予防
歯垢を分解する成分●DEX:デキストラナーゼ……デキストラナーゼ酵素が、歯垢を分解
フッ素の停滞性を高める成分●カチオン化セルロース
虫歯の原因菌を吸着する成分、歯の表面のミクロの傷を修復する成分●ハイドロキシアパタイト

口の中に虫歯の原因菌が多いほど虫歯リスクも上がるため、IPMPやLSSのような殺菌作用のある成分が入っている歯磨き粉や、その他にも歯垢を分解する成分、虫歯の原因菌のひとつ「ミュータンス菌」を吸着する成分などが入っている歯磨き粉も、虫歯予防におすすめです。

できれば低研磨・低発泡の歯磨き粉を選ぶ

丁寧な歯磨きを行うにはどうしても時間がかかるため、できれば長く歯磨きがしやすく歯を傷つけにくい「低研磨・低発泡」の歯磨き粉を選ぶのがおすすめです。歯磨き粉の種類によっては、「研磨剤」は「清掃剤」と表記されることもあります。

なぜなら、炭酸カルシウムや無水ケイ酸などの「研磨剤」配合の歯磨き粉は、効率良く歯垢や着色を取り除ける一方で、歯の表面のエナメル質を傷つけてしまう可能性があるためです。

また、ラウリル硫酸ナトリウム等の「発泡剤」配合の歯磨き粉は、泡立ちが良い反面、しっかり磨けていないのに磨いたような感覚になりやすく、さらに必要以上にうがいをして歯磨き粉の成分を洗い流し過ぎてしまう可能性もあります。

そのため、「フッ素」や「虫歯予防に効果が期待できる成分」に加え、歯の表面を傷つけず、時間をかけて虫歯予防の歯磨き粉の成分を歯面全体に行き渡らせられる「低研磨・低発泡」の歯磨き粉も、虫歯予防におすすめです。

虫歯予防の歯磨き粉【歯医者おすすめ】ランキング5選

では、実際に販売されている虫歯予防の歯磨き粉では、どの歯磨き粉がおすすめなのでしょうか?

ここでは、予防歯科に力を入れている当院の歯科医師がおすすめする、3つの虫歯予防の歯磨き粉をランキング形式で紹介します。

1位 チェックアップ スタンダード

出典:Amazon

歯医者での虫歯予防王道歯磨き粉です。チェックアップスタンダードは1450ppmのフッ素配合で、低研磨・低発泡の虫歯予防の歯磨き粉です。

低研磨・低発泡のためしっかり時間をかけて歯磨きがしやすく、うがいも少ない回数で済ませられます。歯磨き後に少量の水(約15ml:大さじ1)で5秒間ゆすぎ、1回のみうがいすることがメーカーにより推奨されています。

また、チェックアップは2023年2月に改良されており、一般的にフッ化物は「カルシウム」「リン」と同時に配合すると、不活性化し再石灰化の効果が弱くなってしまいます。チェックアップはこれを解決し、1450ppmの高濃度フッ素を配合しつつ、「カルシウム」「リン」も同時配合することが可能になりました。

更に新成分の「カルシウム」「リン」に加えて、既存成分の「カチオン化セルロース」のフッ素イオンを歯面に引きつける働きが合わさって、フッ化物の滞留性が従来製品に比べ、約3倍向上しています。

出典:ライオン歯科材株式会社HPより

主な配合成分カチオン化セルロース・グリセロリン酸カルシウム・ピロリン酸四カリウム
フッ素/濃度フッ化ナトリウム配合/1450ppm
容量135g
メーカーHPチェックアップ ライオン歯科材株式会社 HP
参考価格600円※Amazon価格

※当院調べ。2023年3月時点。

2位 クリンプロ 歯みがきペースト F1450

出典:Amazon

1450ppmの高濃度フッ素配合は勿論のこと、fTCPという3M独自の技術によってカルシムとリン酸を高濃度フッ素と同時配合することに成功しました。(2023年2月から改良により1位のチェックアップスタンダードにも似た効果があります。)

これによって同じフッ素1450ppm配合の他歯磨き粉よりも歯の再石灰化量が上昇し、歯の表面硬さが2割ほど増した自社論文も出ています。

出典:2018日本保存歯科学会第148回学術大会

またCPC、IPMP、グリチルリジン酸ジカリウムという成分により殺菌効果と歯肉の抗炎症効果が期待できるため、歯周病予防も同時に行いたい方にオススメの歯磨き粉です。

主な配合成分fTCP(カルシウム、リン酸)、CPC、IPMP、グリチルリジン酸ジカリウム
フッ素/濃度1450ppm
容量90g
メーカーHP3M(クリンプロ™サイト)
参考価格(税込)1,250円 ※Amazon価格

※当院調べ。2024年1月時点。

3位 クリニカアドバンテージ

出典:Amazon

TVCMでも目にすることも多い「クリニカアドバンテージ」は、予防歯科に大切な

  1. フッ素を残す
  2. 菌を増やさない
  3. 歯垢を落とす

の3つのポイントに着目した歯磨き粉です。

1450ppmのフッ素を配合していることに加え、クリニカ独自のフッ素が長く留まる「高密着フッ素処方」を採用しています。

さらに、クリニカ独自技術である歯垢を分解・除去する有効成分「デキストラナーゼ酵素」も配合されています。

そして、何と言ってもこの成分で、350円前後という圧倒的コスパの良さがオススメの理由にもなります。

主な配合成分デキストラナーゼ・LSS・ポリリン酸ナトリウム・TDS(洗浄剤)
フッ素/濃度フッ化ナトリウム配合/1450ppm
容量130g
メーカーHPクリニカ LION HP
参考価格(税込)330円/本 Amazon価格

※当院調べ。2023年3月時点。

4位 アパガードリナメル

出典:Amazon

アパガードリナメルのホームケアペーストは超微粒子の「ハイドロキシアパタイト」を配合しており、このハイドロキシアパタイトが虫歯の原因菌のひとつである「ミュータンス菌」に対して優れた吸着力を持ち、虫歯の原因菌を吸着・除去します。

また、ハイドロキシアパタイトは歯の表面のミクロの傷を修復し、歯の表面から溶け出したミネラル成分も補給するため虫歯予防効果も期待できます。さらに歯の表面のミクロの傷を修復して表面がなめらかになることで、歯垢の再付着も防ぎます。

またブレスラボなど有名な口臭予防の歯磨き粉にも含まれるゼオライトが配合されている為、口臭予防にも一定効果が期待できます。

主な配合成分薬用ハイドロキシアパタイト・PEG-8・ゼオライト・ポリビニルピロリドン(PVP)・β―グリチルレチン酸・塩化セチルピリジニウム
フッ素/濃度
容量50g
メーカーHPアパガードリナメル オーラルケアHP
参考価格(税込)1,213円※Amazon価格

※当院調べ。2023年3月時点。

5位 クリニカPRO オールインワン【7大リスクケア】

出典:Amazon

クリニカPROオールインワンは2位で紹介したクリニカアドバンテージの虫歯予防効果をそのままに、口臭予防、歯周病予防、知覚過敏予防、ホワイトニング効果の成分が配合されたオールインワンな歯磨き粉です。

クリニカアドバンテージ特徴の歯垢分解酵素のデキストラナーゼも入っているので、虫歯予防歯磨き粉としては十分な効果があります。

様々な成分が入っている分、虫歯予防+αで他のお悩みにもアプローチしたい方にオススメの歯磨き粉です。

虫歯予防の歯磨き粉としての効果は2位と変わらないため値段の差分、ランキング順位を下げております。

主な配合成分デキストラナーゼ(DEX)、ラウロイルサルコシンNa(LSS)、酢酸トコフェロール(ビタミンE)、硝酸カリウム
フッ素/濃度1450ppm
容量95g
メーカーHPLION HP(クリニカPROオールインワン)
参考価格(税込)713円※Amazon 価格

※当院調べ。2023年3月時点。

フッ素によるデメリット

ここまでフッ素についてメリットをたくさん伝えてきましたが、フッ素って摂取することによってデメリットはないの?という質問も良く受けます。フッ素摂取におけるデメリットは以下の通りです。

フッ素中毒

フッ素を過剰に摂取してしまうと、フッ素中毒になってしまいます。

フッ素中毒には2種類あり、「慢性フッ素中毒」と「急性フッ素中毒」がありますが、実際に日常生活内でこの中毒に陥る可能性はほぼあり得ないのでご安心ください。

その理由を計算しながら下で解説していきます。

急性フッ素中毒

悪心や嘔吐、下痢などが生じる消化器官への急性フッ素中毒を引き起こすまでの摂取量は最小で2mg/kg(体重)とされています。

(例)1450ppmの歯磨き粉を20kgの小児が大量に摂取した場合

28gの歯磨き粉を丸飲みするとフッ素中毒が生じる量になります。歯ブラシいっぱいに出した量で約1gになります。

なので、28回分の歯磨き粉量を丸飲みしない限りは生じません。一般的な歯磨き粉チューブの約1/3ほどの量になります。間違って多く使用したレベルではまずフッ素中毒にはならないのでご安心ください。

フッ素1450ppm配合の歯磨き粉は小さなお子さんの手が届かないところに保管しましょう。

慢性フッ素中毒

慢性的なフッ素の過剰摂取により歯の表面に白い斑点ができてしまうエナメル質の形成不全です。

歯の石灰化時期にある出生~8歳までの小児に対して、「0.1mg/kg体重/日」のフッ化物を毎日摂取することで斑状歯が生じる可能性が出てきます。

虫歯予防としてフッ素が水道水に含まれる国の地域でみられる場合があります。日本では、水道水にフッ素は一定の基準値以下にしないといけないため、フッ素入りの歯磨き粉を前歯の歯冠形成が生じる3歳頃までに習慣的に飲むことがない限り慢性フッ素中毒になる心配はまずありません。

虫歯予防歯磨き粉のまとめ

虫歯予防の歯磨き粉は多くの種類があり、それぞれに配合されている成分が異なります。虫歯予防の歯磨き粉をお探しの方は、ぜひ今回ご紹介したおすすめの歯磨き粉をお試しください。

ただし、どんなに優れた虫歯予防の歯磨き粉でも、毎日の丁寧な歯磨きや、デンタルフロス等の歯間ケア、そして間食の摂り方等の食生活もしっかりコントロールができていないと、虫歯予防の効果は薄れてしまいます。

当院では、お一人おひとりのお口の中の状態をしっかり確認することはもちろん、歯磨き等のセルフケアの仕方や、食生活・生活習慣、全身疾患などから総合的に診断し、患者様に最適な虫歯の予防法をご提案いたします。

予防歯科については、詳しくはこちらをご覧下さい。

「気になっている虫歯がある」「虫歯予防にしっかり取り組んでいきたい」など、虫歯についてもっと詳しく知りたいという方は、ぜひ一度当院へご相談ください。

お口の中のお悩みなどがあればお気軽にご連絡ください。

浅草・本所吾妻橋の歯医者 篠塚歯科医院

歯学博士 篠塚嘉昭

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