根管治療は何回で終わる?回数と期間の目安について【歯医者が解説】

こんにちは、篠塚歯科医院です。

「痛みはだいぶ治まったのに、まだ何回も通わないといけないと言われた」というご相談を、根管治療を受けている患者様からよくいただきます。今回は根管治療にかかる回数や期間の目安、そしてなぜ複数回の通院が必要なのかについて解説します。

根管治療とは何をする治療なのか

根管治療とは、虫歯が神経まで達してしまった歯の内部(根管)から、感染した神経や細菌を取り除き、内部を消毒したうえで薬剤を詰める治療です。歯を抜かずに残すための最後の砦とも言える治療で、放置すると歯の根の先に膿がたまり、強い痛みや腫れにつながることがあります。

治療回数の目安

当院での根管治療は、通常3回前後、1回あたり約1時間を目安に行っています。神経の管がまっすぐで本数の少ない前歯は比較的回数が少なく済む一方、根の形が複雑で管の数も多い奥歯は、回数が多くなる傾向があります。

なお、次のようなケースでは、目安の回数よりも通院回数が増えることがあります。

  • 根管の形が湾曲していたり、途中で枝分かれしていたりして、清掃が難しい場合
  • すでに炎症や膿が広がっており、消毒に時間がかかる場合
  • 以前の治療で使われた薬剤や土台を、一度取り除く必要がある再治療の場合
  • 根の先に大きな病巣(嚢胞など)ができている場合

回数だけを見ると多く感じられるかもしれませんが、いずれも「歯を長く残す」ために必要なプロセスです。

なぜ複数回の通院が必要なのか

根管治療は、大きく分けて次のような段階を経て進みます。

  1. 感染した神経や汚染された組織を取り除く
  2. 根管内部を洗浄し、細菌の数を減らす
  3. 薬剤を入れて内部を消毒し、しばらく経過を見る
  4. 症状が落ち着いたら、根管内に最終的な薬剤を緊密に詰める
  5. 土台を立てて被せ物を装着する

根管の中は非常に細く複雑な構造をしているため、一度の処置だけで内部の細菌をすべて取り除くことは難しく、消毒と経過観察を繰り返しながら進める必要があります。この丁寧なプロセスが、通院回数につながっています。

根管治療の成功率について知っておきたいこと

根管治療は、実は再発しやすい治療としても知られています。日本ヘルスケア歯科学会誌に掲載された報告では、保険診療で行われた根管治療426本を分析した結果、初めて根管治療を行う歯のうち、神経がまだ生きている状態で治療した場合の治癒率は70.0%、すでに神経を取ってあった歯では56.3%、過去に根管治療を行った歯の再治療では48.4%だったとされています。経過が良好な「治癒傾向」の歯まで含めると、全体の治癒率は73.2%まで上がるとも報告されています。この結果からも、歯の状態や治療が初めてか再治療かによって見通しが変わること、再治療になるほど成功率が下がりやすいことがわかります。

出典:岡恒雄ほか「当院における保険診療での根管治療後の治癒状況について」日本ヘルスケア歯科学会誌 18巻1号(2017年)/J-STAGE(一次情報)

当院では、根管内部の状態を正確に把握するため拡大鏡やマイクロスコープ、歯科用CTを活用し、精密な治療を心がけています。感染を広げないための丁寧な処置は、通院回数が増える理由であると同時に、治療の質を保つためでもあるとご理解いただければと思います。

痛みへの配慮について

「根管治療は痛い」というイメージをお持ちの方も多いのですが、当院では表面麻酔と、極細(33G)の麻酔針を使用し、麻酔そのものの痛みを抑える工夫をしています。麻酔が苦手な方には、リラックスした状態で治療を受けられる笑気麻酔もご用意しています。自由診療になりますが、静脈内鎮静法にて眠っている状態で治療を受けることも可能です。

費用について

当院は根管治療は基本的に保険診療の範囲内で対応しています。保険の範囲であっても、CTやマイクロスコープなどを用いた拡大視野での精密な診療を基本としています。根管の複雑性や唾液の混入が予想される部位では、Ni-Tiファイルやラバーダムも併用します。

ただし、難治性が予測されるケースでは、MTAセメントなど自由診療の材料をご提案することもあります。費用の詳細はお口の状態によって異なりますので、治療前にご説明いたします。

治療後に気をつけたいこと

根管治療の後は、土台や被せ物が入るまでの間、治療した歯に強い力がかからないよう注意が必要です。硬いものを噛むときは反対側の歯を使う、麻酔が切れるまで食事を控えるといった配慮で、歯や仮のふたが欠けるのを防ぐことができます。痛みが続く場合や、仮のふたが取れてしまった場合は早めにご連絡ください。

よくある質問

Q. 根管治療の途中で通院をやめるとどうなりますか
A. 内部を消毒している途中で治療が中断すると、仮のふたの中で細菌が再び増え、それまでの処置が無駄になったり、症状が悪化したりすることがあります。必ず最後まで通院することをおすすめします。

Q. 神経を抜いた歯はその後どうなりますか
A. 神経を取った歯は痛みなどの感覚を失うため、虫歯の再発に気づきにくくなります。色が変色したり、もろくなったりすることもあるため、被せ物での保護と定期的なメンテナンスが大切です。

Q. 根管治療は痛いですか
A. 処置中は麻酔を効かせて行うため、強い痛みを感じることは少ないです。治療後数日は違和感が残ることがありますが、徐々に落ち着いていきます。

こんな症状がある方はご相談ください

ズキズキとした痛みが続く方、冷たいものや熱いものがしみて夜も眠れない方、歯ぐきに腫れ物のようなものができた方は、神経まで達した虫歯や、過去に治療した歯の再発の可能性があります。以前に治療した歯であっても、時間が経ってから痛みがぶり返すことは珍しくありません。自己判断で様子を見ず、早めの受診をおすすめします。

浅草・本所エリアで根管治療をお考えの方へ

根管治療は歯を残すための大切な治療ですが、途中で通院をやめてしまうと、それまでの処置が無駄になったり、悪化してしまったりすることがあります。浅草・本所エリアで根管治療についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

篠塚歯科医院 歯学博士 篠塚嘉昭

一覧へ戻る