虫歯予防に良い食べ物!天然甘味料や摂取方法についても解説

こんにちは、東京都墨田区の篠塚歯科医院です。

皆さん、虫歯に悩まされていませんか?歯磨きを頑張っているのに「何故か虫歯をくり返す」と疑問を持った方も多いかもしれません。

虫歯は口内環境によって引き起こされることもありますが、食べ物の選び方で予防することができます。食事を楽しみながら虫歯予防できたら嬉しいですよね。本記事では、なぜ虫歯ができるのか、虫歯予防が期待できる食べ物や摂取方法などについて解説します。

なぜ虫歯ができるの?

虫歯とは、虫歯菌が出す酸によって歯の表面のエナメル質や象牙質が溶けてしまうことです。お口の中にいる虫歯菌が食べ物に含まれている糖を分解する際、生成される酸によって引き起こされます。虫歯になると自然に治ることはなく、進行すると治療が必要です。

虫歯の発生は、以下の4つの要素が関与しています。

  • 歯の質
  • 食べ物(糖分)
  • 虫歯菌
  • 時間の経過

これらの要素を管理することで虫歯を予防することができます。特に食べ物は、虫歯の発生や進行に大きな影響を与えるため、健康な歯を保つためには食事に注意が必要です。

虫歯予防が期待できる食べ物

虫歯を予防できる食べ物はどんなものがあるのでしょうか?歯を構成する成分が含まれているものや、唾液の分泌を促す食べ物は、虫歯予防の効果が期待できます。また、歯を丈夫にするフッ素が含まれている飲食物を摂取することもおすすめです。ここでは、虫歯予防に役立つ食べ物を紹介します。

食物繊維の多い食べ物

食物繊維が多く含まれている食べ物は、よく噛むことが必要です。よく噛むことは唾液の分泌量が増え、虫歯菌の活動を抑制する効果が期待できます。特に、以下の野菜には食物繊維が豊富に含まれています。

  • さつまいも
  • ごぼう
  • キャベツ
  • ほんれん草 など

カルシウムやリンを含む食べ物

歯を構成する主な成分はカルシウムやリンです。これらの成分は、卵類や魚介類、豆類、乳類などに豊富に含まれています。

  • たまご
  • 小魚
  • チーズ など

たまごやチーズにはカルシウムのほかに、歯の表面のエナメル質をつくるビタミンAも豊富に含まれています。それに加え、歯の象牙質を強くするビタミンCが含まれているブロッコリーやピーマンなどの野菜も一緒に摂取すると良いでしょう。

フッ素が含まれている食べ物

歯科医院の虫歯予防処置でも用いられているフッ素は、エナメル質から溶け出したカルシウムやリンを補い、歯質を強化します。さらに、虫歯菌の働きを弱め、酸の生成を抑える働きもあります。フッ素は自然界に存在しており、以下のような藻類や果物、お茶などに含まれているので積極的に取り入れてみましょう。

  • わかめ
  • 緑茶
  • りんご など

また、緑茶にはポリフェノールが含まれており、お口の中の細菌の繁殖を抑えられます。

ビタミンAが含まれている食べ物

ビタミンAはエナメル質を強化するために必要な栄養素です。特に乳歯から永久歯に生え変わる時期には積極的に取り入れる必要があります。

  • にんじん
  • レバー
  • かぼちゃ など

ビタミンCが含まれている食べ物

ビタミンCはエナメル質の下にある象牙質を作る栄養素です。また、コラーゲンの生成を抑制する効果も期待できるため、歯ぐきの健康にも役立ちます。お口の健康のためにも積極的に取り入れたい栄養素の一つです。

  • ブロッコリー
  • ピーマン
  • みかん など

ただし、柑橘類は酸性度が高いため摂取しすぎには注意しましょう。

ビタミンDが含まれている食べ物

ビタミンDは直接歯に影響を与えるものではありませんが、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウムが含まれている飲食物と併せて、以下のような食べ物も摂取すると良いでしょう。

  • マグロ
  • バター
  • きのこ類 など

虫歯になりやすい食べ物

「甘いものを食べると虫歯になる」とよく言われているように、虫歯菌は砂糖や炭水化物が好物です。ここでは、虫歯になりやすい食べ物を紹介します。

分が多く含まれている食べ物

砂糖は虫歯菌のエネルギー源になり、酸を生成する原因となります。スウィーツや加工食品、炭酸飲料、ジュースなどは砂糖が多く含まれているため、虫歯になるリスクは高いです。

  • チョコレート
  • ケーキ
  • スナック菓子
  • ジュース
  • スポーツ飲料 など

食べる際は摂取量を調整し、食後は歯磨きやうがいを行なって食べかすを取り除くことが重要です。

粘着性のある食べ物

粘着性のある食べ物は、歯の表面に長時間付着したままになります。それにより、虫歯菌が増殖しやすい環境が生まれ、酸の生成が促進される原因に。虫歯のリスクが高まるため、以下のような食べ物には注意しましょう。

  • キャンディー
  • キャラメル
  • グミ
  • ドライフルーツ
  • ガム など

ドライフルーツは栄養価が高く、美容や健康のために摂取している方も多いですが、糖分が豊富に含まれています。そのため、摂取時は糖分の量に注意が必要です。

一方、キシリトール*配合のガムは虫歯予防に効果が期待できますが、砂糖や水あめが含まれているガムは注意が必要です。

*キシリトールとは

樹木や植物から抽出される糖アルコールの一種。砂糖と同等の甘さがありますが、虫歯菌が分解できないため酸が生成されることはありません。

酸性の食べ物

エナメル質は人体の中で最も硬い組織ですが、酸に弱い性質があります。以下のような酸性度の高い飲食物に長時間触れていると、エナメル質が溶けてしまうことも。これを「酸蝕症(さんしょくしょう)」と言い、エナメル質の下にある象牙質が露出したり、知覚過敏が起きたりすることがあります。

  • レモン
  • オレンジ
  • グレープフルーツ など

また、コーラやサイダーなど炭酸飲料は砂糖を多く含まれており、さらに酸性度が高いです。これらの飲食物を摂取した後は、歯磨きや口をすすいでケアしましょう。

天然甘味料は虫歯にならないってホント?

「天然由来のものなら体にもよく、虫歯にならない」このように考えている方もいるでしょう。しかし、砂糖と天然甘味料は別物で、はちみつやメープルシロップは、虫歯を引き起こす可能性があります。

甘味料は、糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分けられます。糖質系甘味料には砂糖やはちみつ、でんぷん糖、糖アルコールに分類されますが、その中でも糖アルコールは虫歯になることはほとんどありません。

以下は、虫歯になりやすい甘味料の一部です。

  • ブドウ糖
  • はちみつ
  • 麦芽糖
  • 果糖
  • 水飴 など

一方、非糖質系甘味料は天然甘味料と人工甘味料に分類され、虫歯になりにくい甘味料として使用されます。

天然甘味料・人工甘味料・糖アルコールは虫歯になりにくい

非糖質系甘味料の天然甘味料、人工甘味料、糖アルコールは虫歯になりにくいとされています。非糖質系甘味料の天然甘味料は、ステビア・甘草など植物から採取されます。これらの甘味料は、砂糖の10~500倍の甘さがあると言われており、少量でも甘味を感じることが可能です。

人工甘味料の中にはアスパルテーム、スクラロース、サッカリンなどがあり、カロリーゼロとして知られています。また、キシリトールやエリスリトールなどの糖アルコールも虫歯予防効果があるため、ガムなどに利用されています。

参照:独立行政法人 農畜産業振興機構 砂糖以外の甘味料について

虫歯予防につながる食べ方のポイント

虫歯になりにくい食べ物を中心に摂取していても、食べ方が悪いと虫歯のリスクが高まります。食事をする際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 同じ時間に食事をする
  • 食事に集中し、ゆっくりとよく噛む
  • 食後に歯みがきやうがいを行なう

頻繁に食事やおやつを摂るとお口の中が常に酸性になり、歯の表面が溶けだしてしまう可能性があるため、同じ時間に食事をするように心がけましょう。

また、食べ物をよく噛んで唾液の分泌を促し、細かく砕くことが重要になります。そのため、食事中にテレビを見ながら食べることは避けましょう。食後は歯磨きやうがいをして、食べかすを取り除くことが大切です。

まとめ

虫歯を予防するためにも砂糖や粘着性のあるもの、酸性の食べ物には注意が必要です。食物繊維の多い野菜や果物を積極的に摂取し、バランスの取れた食事を心掛けましょう。また、カルシウムやフッ素、ビタミンA・C・Dなどの栄養素が含まれている食品も取り入れることをおすすめします。

食後は歯磨きをしっかり行ない、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。

墨田区の篠塚歯科医院では、ライフスタイルなど考慮した予防治療をご提案しています。食生活はもちろんのこと、セルフケア方法など気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

【本所吾妻橋・浅草の歯医者】篠塚歯科医院 院長

歯学博士 篠塚嘉昭

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