【フロスとどう違う?】歯間ブラシの正しい使い方とサイズの選び方【歯医者が解説】

こんにちは、篠塚歯科医院です。「毎日きちんと磨いているのに、歯と歯の間だけ虫歯になる」。そんな経験はありませんか。
じつは、歯ブラシの毛先は歯と歯の間までは届きません。そこで活躍するのが、歯間ブラシです。
この記事では、フロスとの使い分け、サイズの選び方、歯ぐきを傷めない使い方を、東京都墨田区東駒形の篠塚歯科医院がお伝えします。
この記事のポイント
- 歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは残ります。歯間ブラシやフロスを「足す」のが基本です。
- すき間が広いところは歯間ブラシ、狭いところはフロス。サイズは「すき間より少し小さめ」を選びます。
- 使うのは1日1回、寝る前で十分です。表側からやさしく入れて、数回往復させましょう。
歯ブラシだけでは、歯と歯の間に汚れが残ります
「鏡で見ると、きれいに磨けているのに」。そう思っていても、歯と歯の間は別です。
歯ブラシは、歯の表と裏、かみ合わせの面を磨くのはとても得意です。でも、歯と歯の間には、毛先が十分に入り込めません[1]。
そこに残るのが、歯垢(しこう。歯の表面につく、細菌のかたまり)です。食べかすとは違って、水でゆすいだくらいでは落ちません。
当院の予防歯科のページでもお伝えしているとおり、1グラムの歯垢には1000億個以上の細菌がひそんでいます。歯と歯の間に残り続けると、そこからの虫歯や、歯ぐきの腫れの入り口になります。
だからこそ、歯ブラシに歯間ブラシやフロスを「足す」ことが大切です。今日の夜から、ひと手間を加えてみましょう。
歯間ブラシとフロス、どちらを使えばいい?

「ドラッグストアに両方あるけれど、どっちを買えばいいの?」。よくいただく質問です。
答えは、どちらが上ということではなく、歯と歯のすき間の大きさで使い分ける、です[1]。
- デンタルフロス…すき間が小さいところ向き。歯と歯がぴったり接している若い方や、前歯に。
- 歯間ブラシ…すき間があるところ向き。歯ぐきが下がって三角のすき間ができた奥歯や、ブリッジの下に。
フロスがスッと通らないほど狭い場所に、歯間ブラシを無理に入れると、歯ぐきを傷つけてしまいます。逆に、広いすき間をフロスだけで済ませると、汚れが取りきれません。
すき間が広い奥歯は歯間ブラシ、狭い前歯はフロス。このように、場所で使い分けるのが理想です。
研究では、歯間ブラシのほうがよく落ちる傾向

「本当に効果があるの?」と思う方もいるでしょう。たくさんの研究をまとめた報告では、歯ブラシに歯間ブラシやフロスを足すと、歯ぐきの炎症や歯垢が減る可能性があるとされています[2]。
その中でも、歯間ブラシはフロスより効く可能性がある、とも書かれています[2]。ただ、研究の数や質にはばらつきがあり、まだはっきりとは言い切れません。
歯周病が進んだ26人に協力してもらった研究もあります。片側はフロス、反対側は歯間ブラシでケアを続けて比べました。
6週間後、歯と歯の間の汚れは、歯間ブラシ側のほうが多く減っていました[3]。すき間がある方には歯間ブラシ、という使い分けの裏づけのひとつです。
どちらを使うか迷ったら、歯科医院で自分のすき間のタイプを見てもらうのがいちばん確実です。
サイズ選びの大原則は「すき間より少し小さめ」

「SSS、SS、S、M…。どれを買えばいいの?」。売り場で迷ってしまう方は多いです。
歯間ブラシは、細いものから順に、SSS・SS・S・M・L・LLなどの表記で分かれています。呼び方はメーカーによって少し違います。
選ぶときの大原則はひとつ。「歯のすき間より、少し小さめ」のサイズを選ぶことです[1]。
「きつい」と感じたら、サイズが大きいサイン
大きすぎるサイズを押し込むと、歯ぐきが下がったり、歯の根元がすり減ったりすることがあります。
「きつくて入らない」と感じたら、ワンサイズ下げる。これだけ覚えておけば、大きな失敗はありません。
場所によって、合うサイズは違います
口の中でも、すき間の大きさは場所ごとに違います。前歯は細め、奥歯は太め、というように数種類を使い分けている方も珍しくありません。
最初は、どのサイズが合うか分かりにくいものです。歯科医院で磨き残しを赤く染め出し、歯ぐきの状態も見ながら、場所ごとに選んでもらうのが近道です。
当院の予防歯科でも、染め出しで磨き残しを確認しながら、その方に合った道具とサイズをご案内しています。
歯ぐきを傷めない使い方、5つのステップ
サイズが合っていても、使い方が乱暴だと歯ぐきを傷つけてしまいます。鏡の前で、次の順番でやってみましょう。
- 表側から、ゆっくり入れる…歯の表側(ほっぺた側)から、歯と歯の間にそっと差し込みます。突き刺すように力を入れないこと。
- 歯の面に沿わせて、数回往復…歯ぐきではなく歯の側面に沿わせて、やさしく動かし、汚れをかき出します。
- 角度を少し変える…手前の歯と奥の歯、両方の面をなでるイメージで動かすと、汚れがよく落ちます。
- 奥歯は裏側からも…舌側からも入れられると、より多くの面をきれいにできます。
- 洗って、乾かす…使い終わったら水でよく洗い、風通しのよい場所で乾かします。
コツは、表側からやさしく入れて、角度を変えながら数回往復、です[1]。毛先が広がったり、芯のワイヤーが曲がったりしたら、交換の合図です。
回数は1日1回、寝る前がおすすめ
毎食後にする必要はありません。1日1回、寝る前の歯みがきに合わせて行うのがおすすめです。
寝ている間は唾液が減って、細菌が増えやすくなります。寝る前に歯と歯の間まできれいにしておくと、安心して眠れます。
歯みがき粉は付けなくてもかまいません。まずは、歯間ブラシで汚れをかき出すことを優先しましょう。
使うときに気をつけたい4つのこと
歯間ブラシは、正しく使えば心強い味方です。次の点にだけ気をつけてください。
- 無理に押し込まない…きつい場所に大きいサイズを入れると、歯ぐきや歯を傷つけます。入らないときは、サイズを下げるか、その場所はフロスに切り替えましょう。
- 最初の出血に驚かない…歯ぐきに炎症があると、使い始めに少し血が出ることがあります。多くは、正しく続けるうちに落ち着きます。
- ワイヤーの当たりに注意…金属の芯が、被せ物やインプラント、矯正装置に当たると、傷の原因になることがあります。心配な方は、ゴムタイプを選ぶか、歯科医院でご相談ください。
- すき間がない場所には使わない…歯と歯がぴったり閉じている場所に無理に通すのは逆効果です。そこはフロスの出番です。
出血や痛みが長く続くときは、歯周病が進んでいる可能性があります。自己流で様子を見ずに、一度ご相談ください。
よくある質問

Q. 歯間ブラシとフロス、両方使ったほうがいいですか?
A. 場所によって使い分けるのがおすすめです。すき間が広い奥歯は歯間ブラシ、歯がぴったり接している前歯はフロス、と分けると効率的です。
Q. サイズが分かりません。どう選べばいいですか?
A. 「すき間より少し小さめ」が基本です。きつくて入りにくいと感じたら、ワンサイズ下げてください。場所ごとに合うサイズは、歯科医院で確認してもらうと失敗がありません。
Q. 毎日使うと、歯ぐきが下がったりしませんか?
A. サイズが合っていて、やさしく動かしていれば心配いりません。歯ぐきが下がる主な原因は、大きすぎるサイズと強すぎる力です。正しく使えば、むしろ歯ぐきの炎症を抑える助けになります。
Q. どのくらいで交換すればいいですか?
A. 日数の決まりはありませんが、毛先が広がったり、芯のワイヤーが曲がったりしたら交換の目安です。汚れを落とす力が落ち、歯ぐきを傷つけやすくなるためです。
まとめ
- 歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは残ります。歯間ブラシやフロスを「足す」のが基本です。
- すき間が広い奥歯は歯間ブラシ、狭い前歯はフロス。場所で使い分けましょう。
- サイズは「すき間より少し小さめ」。きつければワンサイズ下げます。
- 表側からやさしく入れて、角度を変えながら数回往復。1日1回、寝る前に続けましょう。
- 自分に合うサイズや使い方が分からないときは、自己流で続ける前に、一度歯科医院で確認するのが近道です。
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墨田区の篠塚歯科医院では、予防歯科に注力し、患者さんのお口の健康を守るため予約は一人一時間を確保して、丁寧な診療を心掛けています。お口の中の気になる点やお悩みがあれば、いつでもご相談ください。
篠塚歯科医院 歯学博士 篠塚嘉昭
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯間部清掃(デンタルフロス・歯間ブラシ)」 資料を開く
- Worthington HV ほか. Home use of interdental cleaning devices, in addition to toothbrushing, for preventing and controlling periodontal diseases and dental caries. Cochrane Database Syst Rev. 2019;4:CD012018. PubMed
- Christou V ほか. Comparison of different approaches of interdental oral hygiene: interdental brushes versus dental floss. J Periodontol. 1998;69(7):759-764. PubMed




