矯正治療に痛みはつきもの?矯正治療中におこる痛みの原因を徹底解説

こんにちは、篠塚歯科医院です。

「矯正治療は痛い」と見聞きしたことはありませんか。矯正を検討中の方にとって、痛みの有無は気になる情報のひとつだと思います。今回は、矯正治療に痛みはつきものなのか、痛みの原因と対処法を、研究データを交えて解説します。あらかじめ「いつ・どのくらい・なぜ痛むのか」を知っておくと、必要以上に怖がらずに治療に臨めます。

矯正治療では、痛みが出る場合がある

矯正治療の痛み

結論から述べると、矯正治療中に痛みや違和感を感じる方は多いです。ただし、痛みは一時的なもので、3〜4日ほどでやわらぎ、長くても1週間ほどで落ち着くのが一般的です(個人差があります)。

大事なのは、この痛みが「異常」ではなく歯が動いているサインだということです。歯は、力が加わると片側の骨が溶け、反対側に新しい骨ができることで移動します。その過程で歯の周りの組織に炎症が起こり、噛んだときの違和感や鈍い痛みとして感じられます。

矯正治療で痛みが出る2つの原因

矯正の痛みの原因

矯正治療中に感じる痛みは「圧迫される感じ」「押される感じ」「ジンジンとした痛み」など、人によって表現が異なります。原因は大きく2つに分けられます。

原因① 装置の力で歯が動いている

矯正は、歯に力を加えて歯並び・噛み合わせを整えていく治療です。ワイヤー矯正でワイヤーを調整したときや、マウスピース矯正で新しいマウスピースに交換したときに、痛みを感じる方が多くいらっしゃいます。特にはじめて装置を入れたときは、歯や顎の骨がこれまで経験のない力を受けるため、痛みを感じやすいでしょう。

調整・交換の直後に痛みが出やすいのは、実際の歯並びと装置との差が大きいためです。この痛みは3〜4日ほど続くことがありますが、装置から受ける力に慣れるにつれて、程度は落ち着いていきます。「食事のとき、前歯で噛み切りにくい」というのもこの時期によくある症状です。

原因② 装置が歯ぐきや粘膜を刺激している

ワイヤー矯正では、ブラケットという突起のある装置とワイヤーを歯に取り付けます。これが頬の内側や舌、歯ぐきに強く当たって痛みが出ることがあります。マウスピース矯正でも、マウスピースの縁が歯ぐきや粘膜に当たって痛むことがあります。

こちらは「歯が動く痛み」とは性質が違い、擦れて傷になっているケースです。放置すると口内炎になることもあるため、早めに調整を受けたほうが楽になります。

痛みが出にくい矯正方法は?

マウスピース矯正とワイヤー矯正

矯正は大きく「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」に分けられます。両者を比べると、マウスピース矯正のほうが痛みを感じにくいとされています。ワイヤー矯正は歯を動かす力が強く、調整後に痛みや違和感が出やすいためです。また、ブラケットやワイヤーで頬の粘膜を傷つけるリスクも高くなります。

この違いは研究でも確認されています。32件の研究をまとめた分析では、マウスピース矯正は固定式の装置(ワイヤー矯正)に比べて、治療初期の痛みが少なく、生活の質(QOL)も良好だったと報告されています。同時に、歯垢の付着量もマウスピース矯正のほうが少ないという結果でした。ただし著者らは、その差の多くは治療の初期に見られたものであり、効果の大きさ自体は小さいため、結果は慎重に解釈すべきだとも述べています(Kaurほか「Comparative impact of clear aligners versus fixed orthodontic appliances on periodontal health, pain, and quality of life: a systematic review and meta-analysis」BDJ Open 第12巻1号 60, 2026年)。

つまり、「痛みが少ない」ことは事実だが、痛みだけで方法を決めるべきではないということです。歯並びの状態によっては、マウスピース矯正では対応が難しいケースもあります。痛みへの不安は率直にお伝えいただき、そのうえでご自身の歯並びに適した方法を一緒に選んでいきましょう。

痛みが出たときの対処法

矯正の痛みの対処法

やわらかいものを選ぶ

調整の直後は、噛む力が加わると痛みが出やすくなります。おかゆ、スープ、豆腐、ヨーグルトなど、あまり噛まずに食べられるものを選ぶと、痛みの時期を楽に乗り切れます。硬いパンやナッツ類は数日避けましょう。

鎮痛薬を使う

装置を入れた直後や調整後は、痛みが出やすい時期です。歯が動く際の痛みであれば数日でやわらぎますが、我慢できないときは市販の鎮痛薬で対処するのも有効な手段です。用法・用量を守って服用してください。持病のある方や妊娠中の方は、薬剤師・医師にご相談ください。鎮痛薬を飲んでも改善しない、悪化するという場合は、クリニックにご連絡ください。

歯科用ワックスで保護する

ワイヤー矯正の「ブラケット」やマウスピース矯正の「アタッチメント」が当たって痛むときは、歯科用ワックスでの対処がおすすめです。粘土のような素材で、気になる突起の上に被せて使います。装置が直接粘膜に当たらなくなるため、刺激から守ることができます。

歯科医院に相談する

痛みが1週間以上続く場合や、特定の一か所だけが強く痛む場合は、必ず歯科医院にご連絡ください。装置が強く当たって傷ができている、ワイヤーが飛び出している、装置が外れかけているなど、調整が必要なことがあります。がまんし続けても良いことはありません。

よくある質問

よくある質問

Q. 痛みはいつがピークですか?
A. 装置を入れた日や調整した日の当日〜翌日にピークを迎え、その後3〜4日でやわらいでいくことが多いです。予定がある日を避けて調整日を組む、という工夫もできます。

Q. 毎回同じくらい痛みますか?
A. いいえ。多くの場合、最初の装着時がいちばん強く、回を重ねるごとに慣れて軽くなっていきます。動かす量が大きい時期には、また強く感じることもあります。

Q. 痛くないのは、効いていないということですか?
A. そんなことはありません。痛みの感じ方には大きな個人差があり、ほとんど痛まない方もいらっしゃいます。歯が動いているかどうかは、痛みではなく経過の記録で確認します。

Q. 痛みで歯みがきができません。
A. やわらかめの歯ブラシに替え、力を抜いてやさしく磨いてください。矯正中は装置のまわりに汚れがたまりやすく、虫歯や歯ぐきの腫れが起こりやすい時期です。磨けない期間が続くようであれば、必ずご相談ください。

Q. マウスピース矯正なら痛くないですか?
A. 「痛みが少ない傾向がある」であって、まったく痛まないわけではありません。新しいマウスピースに交換した直後は、締めつけられるような感覚が出ることがあります。

まとめ

矯正治療のまとめ

矯正治療中は痛みが出ることがあります。原因として考えられるのは「歯が動くときの痛み」「装置が頬や歯ぐきの粘膜を刺激している痛み」の2つです。前者は数日でやわらぐことが多く、歯が動いているサインでもあります。

やわらかい食事、鎮痛薬、歯科用ワックスといった対処法で、つらい時期は乗り切れます。ただし痛みが長引く場合は、装置が強く当たって傷ができているなど別の原因が考えられますので、早めに歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

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篠塚歯科医院では、一人一時間の予約時間を基本としており、丁寧な治療とカウンセリングを心掛けております。矯正治療への不安や疑問は、遠慮なくお聞かせください。

篠塚歯科医院 歯学博士 篠塚嘉昭

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