歯周病の原因は?歯周病の原因と無理なくできる対策方法

こんにちは、篠塚歯科医院です。

歯科医院で「歯周病ですね」と言われた経験はありませんか。歯周病は多くの大人がかかっている身近な病気ですが、その原因や予防法まで知っている方は多くありません。歯周病は、原因を知ってしっかり対策すれば予防できる病気です。今回は、浅草・本所吾妻橋エリアで「なるべく削らない予防歯科」に力を入れている当院が、歯周病の原因と、無理なくできる対策方法を解説します。

歯周病は、歯を支える組織が壊れていく病気

歯周病とは

歯周病は、細菌の感染によって歯ぐきなど歯の周りの組織が炎症を起こす病気です。進行すると歯を支えている顎の骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

それを裏づけるデータがあります。全国の歯科医師2,345人が報告した8,003本の抜歯を集計した調査によると、永久歯を抜く原因の第1位は歯周病で37.1%。第2位が虫歯(29.2%)、第3位が歯の破折(17.8%)でした[1]。大人が歯を失う最大の理由は、虫歯ではなく歯周病なのです。

やっかいなのは、初期段階では痛みなどの自覚症状がほとんど現れないことです。自覚のないまま慢性的に進行し、歯ぐきの腫れや出血、痛み、歯が揺れるといった症状が出るころには、かなり進行していて元の状態に戻すことが難しくなっています。

まずはセルフチェック

次の項目に心当たりはありませんか。ひとつでも当てはまる方は、一度検査を受けることをおすすめします。

  • 歯みがきのときに血が出る
  • 朝起きたとき、口の中がネバネバする
  • 歯ぐきが赤く腫れている、または下がってきた
  • 口臭が気になる、家族に指摘された
  • 硬いものが噛みにくい、歯が浮いた感じがする
  • 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなった

ただし、これらの症状が出ていなくても進行していることがあります。自覚症状は「進行の遅れた知らせ」だと考えてください。

全身の病気とも深く関わっている

歯周病は口の中だけの問題ではありません。歯周病菌が出す毒素や炎症に関わる物質が血管に入り込むと、血液に乗って全身のあらゆる組織に影響を及ぼすと考えられています。心臓血管の病気、糖尿病、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産などとの関連が報告されています[2]。

特に糖尿病との関係は「双方向性」といわれ、歯周病を治療すると血糖値の指標が改善したという報告もあります[3]。詳しくは糖尿病と歯周病の関係についての記事もあわせてご覧ください。

歯周病の原因

歯周病の原因

直接的な原因……歯の表面についた磨き残し(プラーク)

歯周病の直接的な原因はプラークです。プラークは、歯の表面についた汚れに細菌が繁殖した状態のもので、白くネバネバしています。キッチンの排水口に付着しているぬめりをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。

プラークの中にはさまざまな細菌が生息しており、歯周病菌ももちろん含まれます。歯周病菌は酸素の少ない場所を好むため、歯と歯ぐきの境目や隙間に多く潜んでいます。プラークや歯石をためていると境目の溝が深くなり、さらに汚れがたまりやすい環境になっていきます。

間接的な原因……生活習慣

食生活の乱れ、睡眠不足、ストレスなどで体の抵抗力が落ちると、歯周病菌が優勢になり、リスクが上がります。

妊娠中の方も注意が必要です。妊娠中に分泌されるホルモンは、口の中で歯周病菌が繁殖しやすい状態をつくります。特に妊娠初期はつわりの影響で歯ブラシを当てるのが難しく、歯周病になりやすい環境といえます。

喫煙は歯周病と深く関わる

喫煙も、歯周病のリスクを高める大きな要因のひとつです。タバコを吸っていると全身の血流が悪くなり、歯ぐきの腫れや出血といったサインが出にくくなるため、気づかないうちに重症化しやすいという特徴があります[4]。さらに、治療を始めても治りが悪い傾向があります[5]。

「出血しないから歯ぐきは健康」と思っていた喫煙者の方が、検査をすると骨がかなり失われていた——というのは、診療の場でよくあることです。禁煙は、歯を守るうえでも大きな意味を持ちます。

歯周病の対策方法

歯周病の対策

歯周病の予防にいちばん効果的なのは、直接的な原因であるプラークを落とすことです。毎日の歯みがきがポイントになります。

ただし、歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは落としきれません。歯周病が始まりやすいのは、まさにこの歯と歯の間です。デンタルフロスや歯間ブラシといった補助的な清掃用具も、ぜひ毎日の習慣に加えてください。

  • 歯と歯ぐきの境目に毛先を当てる……ここが歯周病菌の住みかです。力は入れず、小刻みに動かします。
  • フロス・歯間ブラシを1日1回……寝る前がおすすめです。
  • 力を入れすぎない……強すぎるブラッシングは歯ぐきを下げてしまいます。
  • 体の抵抗力を保つ……規則正しい生活、十分な睡眠、ストレスをためないこと。
  • 禁煙・本数を減らす……治療の効果を高めるうえでも重要です。

歯科医院での定期メンテナンス

定期メンテナンスでは、虫歯・歯周病など口の中に異常がないかを確認し、歯ブラシでは取れない歯石や着色汚れを専用の器械で除去します。いったん歯石になってしまうと、ご自身では絶対に落とせません。

また、メンテナンスでは歯ブラシが届いていない部分の確認と、効果的な当て方の指導も行います。当院では染め出し液を使い、磨き残し20%以下を目標にお伝えしています。歯周病の原因であるプラークを自分で落とせるようになることが、予防・改善のいちばんの近道です。

よくある質問

よくある質問

Q. 歯みがきのときに血が出ます。やめたほうがよいですか?
A. いいえ、むしろ丁寧に磨いてください。出血は歯ぐきに炎症があるサインです。適切なブラッシングを続けると、出血は落ち着いていくことが多いです。強くこするのではなく、やさしく境目に当てるのがコツです。

Q. 一度下がった歯ぐきや溶けた骨は戻りますか?
A. 基本的には元には戻りません。だからこそ「進行を止める」ことが治療の目標になります。状態によっては再生療法などの選択肢もありますので、ご相談ください。

Q. 歯周病はうつりますか?
A. 歯周病菌は唾液を介して伝わることがあります。ただし、菌がいるだけで発症するわけではなく、清掃状態や体の抵抗力が大きく関わります。ご家族で一緒にケアを見直すのが理想的です。

Q. どのくらいの頻度で通えばよいですか?
A. お口のリスクによって異なります。歯周病が進んでいる方は短い間隔で、安定している方は間隔をあけて——というように、検査結果をもとに一人ひとりに合わせてご提案します。

Q. 痛くないので、まだ大丈夫ですよね?
A. 歯周病は痛みが出ないまま進みます。「痛くないから大丈夫」がいちばん危険です。歯を失う原因の第1位であることを、ぜひ思い出してください[1]。

まとめ

歯周病は予防できる

永久歯を失う原因の第1位は歯周病(37.1%)です[1]。原因は、歯に残った汚れ(プラーク)と、それを許してしまう生活習慣にあります。歯周病は、意識次第で予防・改善が可能な病気です。

歯ブラシと補助清掃用具でプラークを落として口の中を清潔に保つこと、生活習慣を見直して体の抵抗力を高めること、そして歯科医院での定期メンテナンスで定期的にチェックを受けること。この3つが柱になります。

歯周病は軽視されがちですが、歯を失うだけでなく全身の健康にも関わります。痛くなってからではなく、痛くないうちに確認する習慣をつけていきましょう。

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予防歯科について

篠塚歯科医院では、一人一時間の予約時間を基本としており、丁寧な治療とカウンセリングを心掛けております。診療室はすべて個室ですので、周囲を気にせずご相談いただけます。お口まわりで気になることがあれば、お気軽にご連絡ください。

篠塚歯科医院 歯学博士 篠塚嘉昭

参考文献

  1. 8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書」2018年11月 資料を開く
  2. 日本歯周病学会「歯周病と全身の健康」2016年3月 資料を開く
  3. Simpson TC ほか. Treatment of periodontitis for glycaemic control in people with diabetes mellitus. Cochrane Database Syst Rev. 2022;4(4):CD004714. PubMed
  4. Dietrich T ほか. The effect of cigarette smoking on gingival bleeding. J Periodontol. 2004;75(1):16-22. PubMed
  5. Chang J ほか. The impact of smoking on non-surgical periodontal therapy: a systematic review and meta-analysis. J Clin Periodontol. 2021;48(1):60-75. PubMed

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