フッ素塗布の効果はあるの?歯医者と自宅でケアして虫歯を予防しよう

こんにちは、篠塚歯科医院です。
虫歯予防のためのフッ素塗布。聞いたことはあるものの、どのくらい虫歯予防に効果があるのか、体への影響や危険性はないのか、不安に思っている方も多いのではないでしょうか。今回は「フッ素」とは何かをはじめ、フッ素塗布の効果や注意点、歯科医院での頻度、ご自宅での活用方法まで、研究データを交えて解説します。
目次
フッ素塗布の虫歯予防効果は、どのくらい?

「フッ素が虫歯予防に効果がある」とぼんやり聞いたことはあっても、実際どのくらい効くのかは気になるところです。まずは数字でお答えします。
子どもと青年を対象にフッ素塗布(フッ化物バーニッシュ)の効果を検証した22件の研究(参加者12,455名)をまとめた分析では、永久歯の虫歯を43%減らしたと報告されています(95%信頼区間30〜57%)。報告書は「フッ化物バーニッシュには、永久歯にも乳歯にも実質的な虫歯抑制効果がある」と結論づけています(Marinhoほか「Fluoride varnishes for preventing dental caries in children and adolescents」Cochrane Database of Systematic Reviews 2013年 CD002279)。
ただし、虫歯は多因子疾患といわれ、さまざまな要因が複雑に絡み合った結果として起こります。残念ながら、フッ素を塗っているからといって「絶対に虫歯にならない」わけではありません。食生活を整えるなど、できることから改善していくのがベストで、そのなかの有力な一手が「フッ素」なのです。
そもそもフッ素とは?

フッ素はミネラルの一種で、必須栄養素と位置づけられています。自然界のあらゆるところに存在し、魚介類や海藻、お茶や調味料などにも含まれています。厳密には食品中のフッ素は「フッ化物」と呼ばれ、体の骨や歯をつくる石灰化に欠かせない物質です。「特別な薬品」ではなく、日常的に口にしているものだとイメージしてください。
フッ素が虫歯を防ぐ3つの働き

- 歯の再石灰化を促す……虫歯は、酸で溶ける「脱灰」と歯を修復する「再石灰化」のバランスが崩れたときに起こります。唾液中のカルシウムやリン酸は溶けかけた部分を修復しますが、フッ素はこの修復を効率よく進める働きがあります。
- 歯を強くする……歯の表面を構成する成分から、酸に強い性質のものをつくり、エナメル質を酸に溶けにくい状態に変えます。
- 細菌の働きを抑える……虫歯菌が酸をつくる働きを抑え、細菌の栄養である糖の取り込みやプラークの産生も抑制します。
フッ素に危険性はないの?

先ほどお伝えしたとおり、フッ素は普段口にする食べ物にも含まれているものです。適切な量を守って使えば問題ありません。
ただし、摂りすぎには注意が必要です。一度に大量に摂取すると、下痢や嘔吐、歯のフッ素症などを起こすことがあります。とはいえ、それは歯みがき剤や洗口液を一度に丸ごと1本飲み込むほどの量を指します。現実的には起こりにくいことですので、年齢に応じた使用量を守っていれば心配はいりません。小さなお子さんの場合は、保護者の方が量を管理してあげてください。
フッ素塗布の頻度はどれくらい?

歯科医院で塗る高濃度のフッ素(9,000ppmF)は、3か月に一度をおすすめしています。それに加えて、歯みがき剤や洗口液など低濃度のフッ素(900〜1,500ppmF)を毎日使うことも同じくらい大切です。
イメージとしては、「年に数回の集中ケア(歯科医院)」と「毎日の積み重ね(ご自宅)」の二本立て。食事の時間以外は、フッ素で歯がコーティングされている状態を保つことが、歯を守る秘訣といわれています。
年齢別のフッ素の使用量

2023年1月、日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会の4学会が合同で、フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法を改めています(日本小児歯科学会「4学会合同の提言」2023年1月1日)。
- 歯が生えてから2歳……1000ppmF(900〜1000ppmF)を米粒程度(1〜2mm)
- 3〜5歳……1000ppmF(900〜1000ppmF)をグリーンピース程度(5mm)
- 6歳〜成人・高齢者……1500ppmF(1400〜1500ppmF)を歯ブラシ全体(1.5〜2cm)
こちらを目安に使用してみてください。おすすめの歯みがき剤はこちらの記事でご紹介しています。
自宅で行うフッ素の活用方法

就寝前を含めて1日2回の歯みがきを行います。できるのであれば毎食後が理想です。みがいたあとは歯みがき剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回のみにとどめてください。何度もうがいをすると、せっかくのフッ素が流れてしまいます。歯みがき後は、なるべく飲食を控えるのがおすすめです。
フッ素入りの洗口液を使う場合は、歯みがきとは別のタイミングにすると効果的です。歯みがき直後に洗口液で流してしまうと、もったいない使い方になります。
歯科医院でのフッ素塗布の流れ

歯科医院では3か月に一度、高濃度のフッ素塗布を行います。泡タイプやジェルタイプなどさまざまな種類があるので、お子さんの好みや状態に合わせて選びます。
まずお口の中を検査し、問題がなければクリーニングでプラークなどの汚れを徹底的に落としてから塗布します。汚れの上から塗っても効果が落ちるため、この順番が大切です。塗布方法は歯ブラシ、綿球、トレー法などさまざま。塗布後は数分置き、気持ち悪いようなら唾液を吐き出していただきます。その後30分は飲食を控えていただきます。
歯科医院ではフッ素塗布のほかに、虫歯ができていないかの検診、歯並びの状況、その他に異常がないかもあわせてチェックしていきます。
よくある質問

Q. 大人にもフッ素塗布は効果がありますか?
A. あります。特に歯ぐきが下がって歯の根が露出している方は、根の部分が虫歯になりやすいため、フッ素の効果が期待できます。年齢に関係なくおすすめできる予防法です。
Q. フッ素を塗れば歯みがきは適当でよいですか?
A. いいえ。フッ素は「汚れが落ちている歯」に働きます。プラークが残ったままではフッ素も届きません。歯みがきが土台、フッ素は上乗せとお考えください。
Q. 子どもが歯みがき剤を飲み込んでしまいます。
A. 年齢に応じた量(米粒〜グリーンピース程度)を守っていれば、飲み込んでしまっても大きな問題にはなりません。うがいが上手にできない時期は、量を調整して使ってください。
Q. 塗ったあと、どのくらい効果が続きますか?
A. 塗布した高濃度フッ素の効果は永続的ではないため、3か月ごとの塗布と、毎日の歯みがき剤による補給を組み合わせることが大切です。
Q. フッ素は保険が使えますか?
A. 年齢や条件によって取り扱いが異なります。当院で内容と費用をご案内しますので、受診時にお気軽にお尋ねください。
まとめ
フッ素塗布は、研究でも永久歯の虫歯を43%減らしたと報告されている、実証された予防法です。ただし「塗れば絶対に虫歯にならない」わけではなく、歯みがき・食習慣・定期的なチェックと組み合わせてこそ力を発揮します。
ポイントは、歯科医院での3か月ごとの高濃度フッ素と、ご自宅での毎日のフッ素の二本立て。そして、みがいたあとのうがいは少量の水で1回だけ。この積み重ねが、お子さんの一生の歯を守ります。
お子さんの歯を守りたい方は、ぜひ当院までお気軽にご連絡ください。
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篠塚歯科医院 歯学博士 篠塚嘉昭




